対決読み

先日の若い先生向けの国語教え方セミナーでの「音読講座」が終わった後、一人の参加者が質問をしにやってきました。
「渡辺先生、ありがとうございました。これから、音読を大切にして、授業をやっていきます。ところで、『対決読み』って資料にありますが、どんな読み方なんですか?」
そうでした。講座では、基本中の基本の音読のみ提示して、バリエーションは時間の関係で、紹介しておりませんでした。

私の紹介した基本の音読は、以下の通りです。
1 教師の一文読みに続けて、同じ文を一文ずつ読ませる。(追い読み)
読めない漢字など、ここですばやく書かせる。 簡単な意味も、ここで説明してしまう。
2 教師の一文読みに続けて、一文ずつ読ませる。(教師との交代読み)
教師の音読スピードを上げて、スラスラ音読を体感させる。
3 グループで、一文ずつ交代読みを行う。(リレー読み)
4 一人、一文ずつ、全員に読ませる。(リレー読み)
ここで、一人一人読みのチェックをする。スラスラ読めない場合は、やり直しを軽くさせる。
「まるで、一人の子が読んでいるように読みなさい」という指示をする。 読んでいる子と次の子を立たせて読ませる。(「リーチ」)
5 クラス全員で一斉に読む (一斉読)
クラス全員で、声をそろえて一斉に読む。

では、私の言う「対決読み」について、説明します。
(この読み方は、「対決」という言葉から連想されるほど、「暴力的」でも「刺激的」でもありませんので、ご心配なく)
さて、誰と誰が対決するかというと、男子対女子なのです。
基本の音読の一つに、「交代読み」というのがありました。その時は、先生対子ども全員の交代読みでしたが、「対決読み」は、男子対女子の交代読みなのです。

大切なのは、交代読みをしている最中や終了後に、「評価」をすることです。
だいたい、男の子の方が声が大きくなるのです。どでかい声です。だから、
「男の子の方が、声が大きかった!」
と言えば、女の子も負けじとためらいなく大きな声を出します
逆に、女の子の方が声がそろうのです。男の子はあまりそろえる意識はありませんが、女の子の声はピタッとそろいます。だから、
「女の子の方が、声がそろっています」
というのです。そうすれば、男の子も他の子と合わせることを意識して、そろってきます。

この「対決」は、教室の窓側対廊下側でやっても、1,2列対3,4列でやってもよいのですが、それよりも、男子対女子が盛り上がり、効果的です。
やってみてください。