強い声 通る声

教育実習生を受け持った私の教育サークルのメンバーが、実習日誌のコメントにおいて、「教師の声」について書いていました。
確かに、教師の仕事は、「話す」のが圧倒的に多い仕事です。ですから、「声」について意識する必要があります。

まず、これは女の先生に多いのですが、キンキンと高い声は教室の落ち着きを損ねると私は考えています。しーんとした中では、やはり、少し低めに調整して話した方が落ち着きますし、子どもにとって聞きとりやすくなります。
子ども達のテンションを上げたいときは声のトーンを高めに、逆に、テンションを下げて落ち着かせたいときは、声のトーンを低めにするのです。
また、声のトーンを高くしてアピールし、声のトーンを低くして共感を得るということもあります。

次に、大きな声はいつもいつも必要なわけではありません。よく、初任の先生が、4月5月に声をからすのは、四六時中大きな声を出しているからです。
大きな声と小さな声の使い分けが大切です。

しかし、声は大きな方が得です。ざわざわしているとき、大きな教室や体育など外での授業のとき、大きな声でなくては、子ども達に届きません。
ですが、やたら大きな声を出すのではなく、「強い声」「通る声」なのです。
ざわついている状態で、きちんとした指示を出すには、「強い声」「通る声」が必要です。その「強い声」「通る声」とは、教室の一番遠くにいる子に絶対に伝える意志を込めて言う、そんなイメージです。
「強い声」「通る声」を身につけなければ、いかに上手に説明したり、指示を出したりしても、子ども達に届きません。それは、もったいないことです。

さて、先の教育サークルのメンバーの「教師の声」についてのコメントは、次の一節で終わっていました。

ちなみに、集団においてリーダーを務める条件の第一は、その集団において一番声を通すことができる人だという考えもあります。

まさしく、教師は学級の統率者であり、リーダーですので、私はうんうんと頷きました。