幼稚園の砂場=学校の休み時間

かなり前の本ですが、「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」という本があります。ロバート・フルガム・著 河出書房新社・刊 です。
この本の中で、とりわけ心に残るのは、第1章に書かれた「わたしの生活信条」です。
それは、こんな信条です。

・何でもみんなで分け合うこと
・ずるをしないこと
・人をぶたないこと
・使ったものはかならずもとのところに戻すこと
・ちらかしたら、自分で後片付けをすること
・人のものに手をださないこと
・誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと
・食事の前には手を洗うこと
・トイレにいったらちゃんと水をながすこと
・焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい
・釣り合いのとれた生活をすること 毎日少し勉強し、少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び、そして少し働くこと
・毎日少し昼寝をすること
・おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、はなればなれにならないようにすること
・不思議だなと思う気持ちを大切にすること

こういった人間の生き方を、全部残らず幼稚園で教わった、というのです。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのだと筆者は言います。

さて、こんな知恵を育む幼稚園の砂場は、現在の学校にもあるのでしょうか?
あります。それは「休み時間」です。
・何でもみんなで分け合うこと
・ずるをしないこと
・人をぶたないこと
・使ったものはかならずもとのところに戻すこと
・ちらかしたら、自分で後片付けをすること
・人のものに手をださないこと
・誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと
こんなことを、子ども達は休み時間の遊びの中で学ぶのです。

向山洋一氏は、「休み時間は授業時間と対抗し得るほどの比重を持つと私は考えている。休み時間は、学ぶ時間であり休息する時間なのである。」といい、実質60分以上の休み時間を確保すべきだと主張されています。
ロバート・フルガムの言と同じです。