キャッチボールのジェスチャーをしながら話す

8月10日のブログ
「5秒の間(ま)で、心をグッとをつかむ」
に続けて、今回も、
「人見知りアナウンサーに学ぶ「ドキドキに負けない話し方」(樋田かおり著 文教社)の「伝え方」に関するヒントです。

人は緊張すると早口になる傾向があります。教師であっても、緊張すれば早口になりますね。
では、どうすればよいのでしょう。
著者の樋田さんは、次の方法が適正な速度を理解するのに有効だったと書いています。
それは、話したものを録音し、その話のスピードにあわせて歩いてもらうことです。こうすることで、「こんなに急いで話していたのか」と実感してもらえたといいます。

さて、本では、実際に歩きながら話すとは書いてありません。歩くことと話す事は別々に行っています。
でも、私はものは試しと、いろいろな速さで歩きながら話してみました。
すると、早足で歩きながら話すと早口になり、ゆっくり歩きながら話すとゆったりとした口調になりました。歩く速さと話す速さは連動していたのです。
だから、どうしても早口になってしまう人は、ゆっくり歩きながら話せばよいのです。(不自然にならないよう、やってみてくださいね。)

もう一つ、著者の樋田さんは、話し方が平板なことを直す練習を書いています。
それは「キャッチボール」のジェスチャーをしながら話すのです。

「自分が強く主張したいところは、聞き手に向かって思い切り振りかぶりながら言葉を投げる。逆に、柔らかく伝えたいところは、フワッとした動作で言葉を渡す。
こんなふうに、実際の動作をつけながら言葉を発すると、話し方にメリハリが付きます。」

確かに、相手の胸元にスパンと直球を投げるように言葉を発すると、明確な言い方になります。
逆に、山なりのフワッとした球を投げるように言葉を発すると、優しくねぎらうような言い方になります。
効果的な練習だなぁと思いました。

話すことは当たり前で誰でもできると思っていましたが、「人に伝える」という視点をもっと持たなければいけないと痛感しました。