一人での暗唱に挑戦させる

「成功体験」それが、暗唱の醍醐味だと思います。
でも、ずっと、詩を細分化して暗唱に取り組ませていても、つまりません。
細分化は、最初の初歩のステップなのです。
すぐに、子どもが、何度も挑戦してくる、そんな暗唱のやり方に移ります。

今度は、詩を細分化せず丸ごと子どもに与えます。その上で、みんなで何度も読みます。
そして、ある程度、覚えたなと判断したら、1人での暗唱に挑戦させます。
私の場合は、「暗唱試験を受ける人いますか?」と募集します。
自信のある子が、前にやってきます。その子たちを、黒板の前に並べ、一人一人暗唱させていきます。

この時に、注意するのは、厳しく評定するということです。微かにでも、言いよどんだら、即座に「不合格」と宣言します。もちろん、言い間違いは「不合格」です。
この厳しさが、子ども達の挑戦心をくすぐるのです。

たったひとりで、クラスの子全員に向かって暗唱するのですから、かなりの緊張感です。
逆に言うと、この緊張感を乗り越えて、完璧に暗唱できたときは、すごくうれしいのです。子どもは跳び上がって喜びます。

このようにして、しだいに合格する子が増えてきます。
そして、ついに、あと1人でクラス全員が合格する瞬間がやってきます。
その子が暗唱しきった瞬間、クラスの子みんなが大歓声をあげます。

このようなドラマを「暗唱」は生み出すことができるのです。

そして、私は、みんなでやり遂げたという記憶を残すために、背面黒板に、次のような掲示をしていました。
だんだん、クラスの「成功体験」が貯まっていきます。