「それ取って」「すぐに」がわからない子がいる

「それ取って」などの指示代名詞が、発達障害の子は苦手です。
「あれ、あの」、「これ、この」、「それ、その」、「さきほどの、さっきの」、「いまの」などの言葉を使った話を理解できないのです。

例えば、「それ取って」と言えば、私たちは文脈の中で「それ=ホッチキス」であり、テーブルの上にあるホッチキスをとってほしいとわかります。
しかし、発達障害の子は、こんな指示代名詞や主語のない言い回しが苦手なのです。
ですから、できるだけ具体的に言うようにします。
こんな時は「テーブルの上にあるホッチキスをとってください」と言ってみてください。

「さっきのようにやってみましょう」もわかりにくいです。
「さっきってなんのこと?」と発達障害の子はわからなくなってしまうのです。
具体的でないからです。
こんな時は「さっきやった問題と同じように、おはじきを10個ずつにして数えましょう」とてみてください。

また、「すぐに」などのあいまいな言葉も、発達障害の子は苦手です。
「あとで」「ちょっと」「少々」「だいたい」「適当に」などを、理解できないのです。

例えば、「早めにやっといて」と言われても、いつまでにやるのかは分かりません。推察できないのです。
こんな時は、「2時までに」「10分後くらいに」と具体的に言うようにします。

「キチンとやって!」という言い回しもわかりにくいです。
そうではなくて、「スプーンとフォークを並べて置いてください」と具体的な言い方で伝えましょう。
もしくは、「見本をやってみせる」とよいのです。
イラストや絵にして示すともっと分かりやすいと思います。

ちょっと気をつけるだけで、発達障害の子が戸惑うことが少なくなるのです。