「自己決定」する子どもに驚く

産経新聞の教育コラム欄である「解答乱麻」に、「TOSS」(教育技術法則化運動)代表の向山洋一氏が10月4日付で、次のように書いています。

「TOSSでは、2年連続で有志による米国の特別支援教育の現場の視察を行っている。その「ボストン公立小学校視察団」から報告が入った。
公立校の特別支援教育について、「そのすばらしさに打ちのめされた」とあった。以下がその報告である。日本の教育にとっても、さまざまな示唆に富む。」

http://www.sankei.com/life/news/171004/lif1710040014-n1.html

エビデンス(根拠)に基づいたアメリカのIEP(個別指導計画)と教育プログラムなど、非常に示唆的なものを、向山洋一氏は紹介しています。
ぜひ、多くの方に、全文を読んでいただきたいです。

さて、
私が最も驚いたのは、以下の部分です。

「さらに、今回の2つの学校に共通していることをもう一つ付け加えるなら「選択は自分でする」。これが大きな特徴だ。
象徴しているのが、農園でクラスみんなでひまわりを切っている場面だった。通常学級だ。
一人、ベンチに寝そべって本を読んでいる男の子がいた。
他の子は気にせず、ひまわりを切っている。一緒にまわってくださっていた教育委員会の先生に話を聞くが、全く気にしている様子はない。逆に「なぜ、そんなことを気にするのか」といった感じだ。
「明日にはするかもしれない」「この子に幾つか選択肢を与え、彼がその選択をしたのだからそれでいいのだ」とおっしゃっていた。驚愕(きょうがく)だ。
自分自身、それでいいと思っている部分と「この子を何とか工夫して参加させよう。それが特別支援教育だ」と思っている部分がある。この考えをひっくり返された感じだ。
「他の子はまねしないのか」と尋ねるとこれも不思議そうだった。なぜそう考えるのか、その文化がそもそもないのかもしれない。日本とは発想が違うのだ。」

教師に姿勢にも驚きますが、それよりも、私は子どもの「自己決定」の姿勢に驚いたのです。

「人に促されて行動するのではなく、自分で選択したから行動する」
「自分で選択して行動したから、その選択に責任をもつ」

そんなきちんとした「自己決定」を、子どもがしていることに驚きました。

そして、
子どもがしているということは、保護者もその「自己決定」を認めているということだと思いました。
日本の保護者だったら、一人、ベンチに寝そべって本を読んでいることを認めるか、微妙なところだと思います。

自己決定している保護者がいて、自己決定する子どもがいます。
そんな社会にまで、少しでも近づきたいです。皆さんも、様々なアプローチをしていくと思いますが、何よりも「自己決定」できる教師にならなくてはなりませんね。