「よくできましたハンコ」を使わなくなったわけ

ずいぶん前のことになりますが、私が先生になった「初任」の頃、先生たちにとっておなじみのハンコを買いました。

よくできましたハンコ

です。

このハンコは、私が「初任」になる以前から販売され、そして、今でも販売されているロングセラーです。
もう、幼児教育、小学校教育のアイテムの定番というか、文化的遺産というか、それくらいポピュラーなものです。

しかし、私はこの「よくできましたハンコ」を使いこなすことができませんでした。
なぜかというと、この「よくできましたハンコ」は3つでセットになっていたからです。
ちょっと思い出していただくとわかります。
3つとは、桜の花びらの形に型取られた

たいへんよくできました
よくできました
がんばりましょう

の3つです。

ですが、不出来だったり、雑な作業の作品や提出物に「がんばりましょう」のハンコを押しても、良くなるとはまったく思えませんでした。
ですから、「がんばりましょう」のハンコは、すぐに使わなくなりました。お蔵入りです。

次に、「よくできました」と「たいへんよくできました」のハンコですが、その差がだんだん曖昧になってきて使わなくなりました。
例えば、作品が普通の出来栄えだったら、「よくできました」のハンコです。そして、作品が上々の出来栄えだったら 、「たいへんよくできました」のハンコとなります。
ですが、いつもは雑なのですが、その時は丁寧に作業した子がいたとします。出来栄えは、まぁ普通です。このとき、どちらのハンコを使うか悩ましいです。
また、上々の出来栄えの作品に「たいへんよくできました」のハンコを押している時に、抜群の出来栄えでみんなのお手本になる作品には、「たいへんよくできました」以上のハンコがないのです。

この2つのハンコだと、

・努力点などの曖昧で微妙な評定
・三段階以上の評定

に対応できなかったのです。(もう記憶もおぼろですが)
そんな理由で、私は「よくできました」と「たいへんよくできました」ハンコも使わなくなったのです。