あいつあんなふうに笑うんだなあ

おはようございます、渡辺喜男です。

短歌の世界に、河野裕子短歌賞というのがあります。
産経新聞が主催し、
「女性として、妻として、そして母として、家族と過ごす日常を64歳で亡くなるまで歌に詠み続け、現代の女性短歌をリードした歌人、河野裕子さんの業績を顕彰する賞」で、 「家族や、家族と自分、家族のなかの自分を歌った短歌、愛する人に贈る歌」
を募集しています。

その第6回の「河野裕子賞 家族の歌・愛の歌」(言ってみれは、大賞です。)は、

バイト先でピザ焼く吾子をのぞき見つ あいつあんなふうに笑うんだなあ
(熊本市中央区 垣野 俊一郎)

でした。
私も、父として、息子達に接する毎日です。
この歌を詠んで、真っ先に、数年前、長男が焼き鳥屋さんでバイトをしていて、その焼き鳥屋さんに焼き鳥を買いに行ったことを思い出しました。 家にいる息子とは違った息子がそこにいました。
長男とは、意思の疎通もそごそこあり、ありがたいことに?その笑顔を毎日見ていました。
ですが、家とは違う長男の姿がそこにあり、少し大人びた感じがして、新鮮な感じがしました。
親ばかです。

息子達が、小学校の頃を思い出す歌もありました。
「育みの短歌賞」といいます。

食卓に今日を広げて話す子に 「ほんまや」「そやね」とご飯をよそう
(兵庫県南あわじ市 山田 恵子)

にぎやかな幸せが押し寄せてきます。
私は、この歌が大好きです。

おっと、こんな「青春の歌」部門の受賞作もありました。

読みかけの文庫のように連れてって 休日の君もっと知りたい
(福岡県立修猷館高等学校 埋金 桜子)

はるか彼方のことながら、甘酸っぱい記憶が甦ってきます。
それにしても、文庫を読む高校生はスゴイ!

河野裕子短歌賞HP
https://www.eventscramble.jp/e/kawano