縦置きの駅のベンチ

初詣に出かける時に、小田急線を使いました。
その時、座間駅のベンチが縦に置いてあるのが目につきました。
今まで、線路に平行にベンチが置いてあったのですが、それが線路に垂直に置いてあったのです。

「あれ、なぜなのだろう」と思いました。

そのベンチは、階段から降りてすぐの場所に設置されていました。
縦置きベンチは、階段から降りてすぐの場所をふさいでいます。
そうすることで、電車を待つ人たちに、ホームの他の場所にさりげなく移動するよう促しているのかと思いました。

しかし、どうも納得できません。

気になったので、家に帰ってから、ウェブで検索してみました。
するとありました。

元は、JR西日本から始まった取り組みのようです。
http://bit.ly/2CQo9C0

この縦置きのベンチは、お酒に酔った人が転落事故を起こさないための防止策だったのです。

お酒に酔った人が、ベンチから立ち上がり、そのままふらふらまっすぐ歩いて線路に転落する。
そんな事故がかなり起こっている実情がありました。

確かに、お酒に酔ったときは、自分の経験からしてそんな動きをします。

深い酔いの中、ふっと気が付きます。一瞬、我に返ります。
「いけない、家に帰らなくちゃ」と思い、ベンチから立ち上がって、歩き出します。
しかし、そこが駅ということを忘れているのです。
そんな動きが転落事故につながっているのです。

それが、ベンチが縦置きだと、立ち上がってまっすぐ歩いても、転落することはありません。

JR西日本は、明確な数字の公表は示していませんが、「酔客の転落者が減少傾向なのは確か」と言っています。

もちろん、ホームドアを設置する方が転落事故は防げます。
しかし、予算の関係もあり、次善の策としてベンチの向きを変えるのはグッジョブだと思います。

教室で、離席傾向の子の席をどこにするか、あれこれ考えるのと同じだと思いました。