砂糖水でも卵は浮くか

板倉聖宣氏は、卵の入った水の中に食塩を溶かしていって、それまで水の中に沈んでいた卵を浮かび上がらせる実験を紹介しています。

やり方は、次のようです。
「コップに卵を入れて、その卵が全部かくれる位の水を注ぎます。こうして、水を注いだだけでは、卵は沈んだままで浮かび上がってこないことを確かめておきます。 そこで、今度はその水の中に食塩を溶かしこむことにします。卵は一度出して、水の中に食塩を入れ、よくかき混ぜます。
(中略)
もう一度コップの中に卵を入れると、今度は卵が食塩水の中で浮かび浮き上がるのを確かめられるでしょう。」
「科学的とはどういうことか」 板倉聖宣(仮説社)

簡単な実験で、コップでできるのでちょっとやってみてください。
子供たちも、海の水には塩が入っていることを知識として知っていますし、海の中のだと楽に浮けることも体験的に知っているので、そこから類推して、卵が食塩水の中で浮くことを導き出します。

ただ、これでは終わりません。
濃い食塩水ではなく、濃い砂糖水ではどうなんだろうという問題を板倉氏は出すのです。

この問題は、間違いやすいです。

それは、砂糖水の中に何かを入れるという経験を大人でもほとんどやったことがないからです。
ですから、経験ではなく、理屈やカンを働かせて答えるので、人によって大きく意見が分かれるのです。

あなたは、
砂糖水でも卵が浮くだろう
ですか。
砂糖水では卵が浮かないだろう
ですか。

これに対して、大人でも正しく答えられる人が少なかったと板倉氏は言っています。

「水にものを溶かすとその密度が増えて、その浮力も大きくなる」のです。

砂糖は、塩よりもたくさん水に溶けますよね。
ですから、砂糖の方が浮力は大きいのです。
卵はバッチリ浮きます。

この問題、必ず意見が分かれますから、時間が余ったときなどに、やってみる価値があると思います。