給食の時間が「修行・苦行」の時間になってはいけない

新学期に行う若い先生向けの講座の検討を、サークルで行っています。
しかし、その「給食指導」の講座の検討の中で、無理矢理給食を食べさせる教師、いや学校が、まだまだあることを知りました。

「いつまでこんなことやってるのだ」と私は怒っています。

5月11日にブログ(その頃はメルマガでなく、ブログでした)に、こんなニュース記事に関するコメントを流しました。
(引用ここから)

5月3日に、今どき、あり得ないニュースが流れました。
「富山県小矢部市の市立小学校で、男子児童に担任の50代の女性教諭が給食のおかずを無理やり食べさせ、嘔吐(おうと)させたとして、教諭が担任から外されていたことがわかった。同市教育委員会の野沢敏夫教育長は「行きすぎた指導で、児童につらい思いをさせ、申し訳ない」と話している。
 野沢教育長によると、今年1月30日の給食の時間に、当時4年生の男子児童が嫌いなおかずを食べなかったため、女性教諭がおかずを口に押し込むと、男子児童が嘔吐した。汚れた床も男子児童に掃除させたという。児童の保護者から抗議を受け、2月に女性教諭を担任から外したという。」 (朝日新聞デジタルより)
今どき、と書いたのは、かつては、無理矢理食べさせる教師がずいぶんいたからです。(さすがに吐かせるまではやっていなかったと思いますが)
給食に関する鉄則の一つは、「無理させない」ということです。だいたい、人間の生理に関することは、決して無理させてはいけません。トイレや水飲み、そして、給食などです。それを無理させるから、不幸な事態が起こります。

(引用ここまで)
私は、まだまだ「吐かせないまでも」無理矢理食べさせる教師、学校がかなりあることを知ったのです。

みんなが食器を返し、給食室に返した後も、1人だけ黙々と食べて1人で給食室に食器を返しに行く子がいます。
その子が食べる時間は、給食の後が休み時間ならまだしも、給食の後は掃除になる学校で、掃除中に黙々と食べているのです。

こういうのはもうやめましょう。食べる量やスピード、好悪は人の生理に関することです。
無理強いしてはいけません。

そして、
栄養士さんや給食の先生が「ペロリ賞」などと称して、クラスに配られた食缶が空になったことを賞賛する仕組みがあります。
そう、配られたものを食べられなかった子は、クラスの他の子から冷たい目線を送られるのです。

こういうのはもうやめましょう。こういうことはクラスで取り組むことではありません。
無理強いしてはいけません。

給食の時間が、「修行・苦行」の時間になってはいけないのです。