「一門・一派・一味」の違い

国語の学習において、「類語」を扱うと知的で楽しい学習になります。
例えば、「現す・表す」の違いや、「のんびりする・くつろぐ」の違いについて考えをめぐらせるのです。
実は、ずいぶん前から気になっていた言葉に「一門・一派・一味」があります。
いったい、どう違うのでしょう。

ウエブサイトで調べてみました。
まず、「一門」。
コトバンク デジタル大辞泉の解説 https://kotobank.jp/word/%E4%B8%80%E9%96%80-31388

1 同じ家系、または、同じ家族の人々。一族。一家。「藤原一門」
2 仏教などで同じ宗派の人々。「天台一門」
3 学問・武道・芸能などで、同じ師匠や指導者をいただく人々。「芭蕉一門」

相撲がわかりやすいです。出羽海一門、二所ノ関一門、時津風一門などです。
落語にも、柳家一門、春風亭一門などがあります。能楽は観世一門、歌舞伎は市川一門ですね。

もし、渡辺一門なんてものがあったならば、私を師匠として尊敬し崇めてくれる集団があるということになります。
想像にしても、恐れ多いことです。

次は、「一派」。
コトバンク デジタル大辞泉の解説 https://kotobank.jp/word/%E4%B8%80%E6%B4%BE-434510

1 学芸・宗教・武道などで、もとの流儀や宗旨などから分かれた一つの流派。「一派を立てる」
2 主義主張や目的などを同じくする人たちの仲間。「一党一派にかたよらない」

俳句において、子規一派などと言います。分派そのものですね。

もし、渡辺一派なんてものがあったならば、元の集団から離脱して新たな集団を作ったということになります。
想像するに、少しばかり怨念ぽい匂いがしますね。

最後は、「一味」です。
コトバンク デジタル大辞泉の解説 https://kotobank.jp/word/%E4%B8%80%E5%91%B3-433706

1 同じ目的をもって寄り集まった仲間。同志。また、そのような仲間に加わること。現代では、主に悪事を企てる場合に用いる。「一味に加わる」「陰謀に一味する」「盗賊一味」

これは、同じ目的集団でも、窃盗団の一味のように悪事の目的集団です。ダークサイドですね。

もし、渡辺一味なんてものがあったならば、どうせならオーシャンズ11のようにガッポリもうける集団でありたいと思っています。

あなたは、渡辺一門がいいですか、それとも渡辺一派、それとも渡辺一味がいいですか?