よい道具を使えば、簡単に上手にできる

私は、リンゴが大好きで、秋から冬にかけて、毎日のように食べていました。
ただ、リンゴの難点は、何と言っても、皮むきですね。みかんは、手で皮がむけますが、リンゴはそうはいきません。
しばらくは、リンゴを買ってくると包丁を使って皮むきをしていました。料理人の気分です。ですが、腕がないため、なかなか速くできません。おまけに皮の厚さが均一にむけないのです。

そこで、持つものを、包丁から、ピーラーに変えました。用具を変えたわけです。
すると、こちらの方がすこぶる速いのです。ただし、皮をむいたあと、皮が飛び散ってしまい片付けが大変です。また、ピーラーの刃に皮がまとわりついて、リズムよくシュッシュッと皮をむくことができないのです。
それでも、包丁よりも気持ちよく、速くできるので、ピーラーを使い続けました。

ある日、ふと思い立って、ピーラーを新しくすることにしました。もしかしたら、今使っているピーラーは、切れ味が悪いのではないかと思ったのです。おそらく、100円ショップで買ったのだと思います。
さっそく、デパートに行くと、あるある、いろんなタイプがあります。大きさ、色、形状、いろいろなピーラーがありました。
その中から、私が選んだのは、「KAI」の刻印があるものです。
わかりますか。
男性なら、ピンとくる人もいるかもしれません。「貝印」です。ひげそりでかつて私が使っていたこともあったのです。なんだか、ひげそりメーカーのピーラーなら、切れ味抜群なイメージがふつふつとわきました。

家に帰って、リンゴ相手に試してみると、切れる、切れる。シュッシュッではなく、長くシューッ、シューッと切れるのです。もうびっくりしました。
長く切れるということは、切り数が飛び散ることないということです。また、ピーラーに皮がまとわりつくこともなくなりました。
その日から、リンゴだけでなく、ジャガイモ、ニンジンと、皮むきが楽しくなりました。

よい道具を使えば、簡単に上手にできるのです。

学校の教室だと、よい道具とは、子どものもつ教具です。私が、子どもがもつよい教具と言われて、真っ先に思い浮かぶのは、「スーパーとびなわ」です。東京教育技術研究所が販売しています。http://www.tiotoss.jp/
この「スーパーとびなわ」のどこが「スーパー」かというと、こうHPに明記されています。

スーパーとびなわは長い木製の柄(21cm)が特徴です。
握りやすいグリップ、だから回しやすいんです。
またハトメとワッシャーが柄の中でロープのねじれを防ぎます。
中がつまった4ミリビニールロープが回転を速くします。
それと同時にロープが切れません。

一番の特徴は、グリップ(柄)が長いことです。このことによって、子ども達のあこがれの「あやとび」や「二重とび」が格段にやさしくできるようになるのです。
また、ビニールロープが中がつまっていて、回りやすいことも大切です。幼稚園・保育園などで入門用として使用している布製のロープのとびなわだと、ほぼ100%二重とびはできません。

私は、なわとびの授業の際、なわとびを忘れた子のためにこのスーパーとびなわを10本ほど予備として用意しておきました。すると、忘れてこのスーパーとびなわを使った子が、あやとびや二重とびができるようになって、「このなわとびがいい」と言うようになりました。そして、なわとびを持ってきているのに、わざわざ借りていく状況が生まれました。
もちろん、スーパーとびなわを手に入れる方法を教えました。そうすると、だんだん、スーパーとびなわを使う子が増えていくのです。

簡単に上手にできるよい道具を知っていて、それを広められる。それも教師にとって、大切なことだなあと思います。