ひいきの大拍手

このところ、「同調圧力」という言葉が、たびたび耳に飛び込んでくるようになりました。
日本は、同調圧力の強い国です。とにかく、周りと同じようにすることを自分にも課すし、他人にもそれを求めがちだと言うのです。

学校もそうです。
子どもが喜ぶこと、賢くなること、やる気になることをやっていても、「他のクラスに合わせる」ことを求められます。
斜めから考えると、あなたのクラスだけうまくやってずるい、というのでしょうか。

以下、真逆に、私が、クラスの子を思い切り、ひいきをしたエピソードです。

以前、六年生を担任していたときのことです。
その学校では、意見発表会という児童会の活動を発表する会があり、私のクラスの子が3名、自分の所属する委員会の代表として発表することになっていました。わかりやすく言うと、その3名は、保健委員会や飼育委員会、集会委員会といった委員会の委員長だったのです。

その子達は、発表のために何度も練習し、休み時間にはリハーサルをして、本番にのぞんでいます。
そのことを、クラスの子達は、よく知っていました。

意見発表会直前、発表する3名の子が、会場に行くために、先に教室を出ました。
私は、残ったクラスの子達に、「○○さん達を応援するって、どういう行動をすることですか」と問いかけました。
そして、次のように話しました。
「一つは、しんと耳をかたむけて聞くことです。
二つ目は、終わったら盛大な拍手をすることです。」

意見発表会が始まりました。
私は、自分のクラスの子が発表したあと、他のクラスの子への拍手の時より、「手が真っ赤にはれるくらい」拍手をしました。
おもいっきりの拍手です。
当然、大きな音になります。子ども達が私の方に振り返るくらいの音です。

でも、いいです。

「ひいきの大拍手」

なのですから。