文学教材の指導に関連して 2

(文学教材の指導に関連して1 に続けて)

では、何のレベルで指導していくのか。それは、「解釈」のレベルです。
先の指導要領の指導事項において、言及されている事柄から選択すると、
・事件の展開
・場面の移り変わり
・登場人物の気持ちの変化
・登場人物の相互関係
・優れた叙述
などとなります。

シンプルに言ってみると、
①物語の展開に関わること
②登場人物に関わること
(+主題に関わること)
③描写
となります。

物語の展開に関わることとして、例えば、有名な「起承転結」という物語のパターンがあります。また、例えば、推理小説のように、事件発生から謎解きに進むというパターンがあります。
また、この物語の展開の核心である「クライマックス」という概念があります。「起承転結」の「転」ですね。
そんなことを解釈するやり方を、学年に合わせて教えていくのだと思います。

登場人物に関わることとして、例えば、「主人公」という概念があります。ただし、主人公だけでは、物語は成立しません。他の登場人物が必要です。
これには、主人公VS悪役というような登場人物の配置例があります。バットマンVSジョーカーですね。
また、主人公と手下のような登場人物の配置例があります。水戸黄門と助さん格さんですね。かいけつゾロリとイシシ・ノシシもそうです。
また、主人公と魅力的な「対役」という登場人物の配置例があります。相棒の水谷豊と寺脇康文です。ハリーポッターのハリーとハーマイオニーでもあります。
そんなこと解釈するやり方を、これも、学年に合わせて教えていくのだと思います。

以上の二つをメインに据えて検討した上で、加えて「主題に関わること」を教えることもありうると思います。これは、「主題」がクライマックスや登場人物の配置に関連するからです。ただし、これは、先に触れたように「善悪」のレベルではなく、「教訓」のレベルで考えた方がよさそうです。
(描写に関わることは、個々の作品によって異なりますので、今回は触れません。)

とかく悩ましい文学教材の指導を、少しでもわかりやすくしていきたいです。