たまご石

私の家の玄関先には、丸まった石が数個、無造作に置いてあります。
私が、秘かに「たまご石」と呼んでいるものです。中には、少し小さいものもあって、それは「うずら石」と呼んでいます。

私の息子達が小学生だった頃、毎年、5月のゴールデンウィークには、妻の実家がある座間の「大凧祭り」に行くのが恒例となっていました。
しかしながら、ただ大凧が上がるのを見に行くのではなく、相模川の河原でバーベキューをやって、家族で食べていたのです。
肉や野菜を食べてお腹がふくれると、私は息子達と石投げをしたり、水辺で水のかけ合いをしたりして遊んだのです。
そして、ひとしきり遊んだ後、河原をふらふらと散策して、息子達と「たまご」の形をした石を捜し歩くのが常でした。良い形の石を見つけた時は、何だか嬉しくて、息子達に「いいだろう」と自慢したものです。

そんな趣味(?)の「玉子石」が役立つ時が来ます。
わかりますか?
そう、それは、5年生の「川の流れと働き」の単元の時なのです。
川の上流の石はゴツゴツして尖っています。それが、下流になるにつれて角が取れて、石は丸まっていきます。
そこで、「なぜ、石は丸まっていくのか?」というのが学習問題となるのです。

私は、問題を提示した後、ポケットからおもむろに「たまご石」を取り出します。
そして、「ほら、たまご石だ。いいだろう。」とただただ自慢して子ども達に見せるのです。
子ども達は「すげえ、たまごそっくりだ。」と素直に驚いてくれるので、気持ちが良いです。

「たまご石」、私の持っている最強のアイテムの一つです。