王様ドッジボール

昨日、厚木の小学校体育研究会に、体育の研修会の講師として呼ばれて、講座をしてきました。
集まったのは、体育が得意な若い先生たち。うだるような暑さの体育館で、3時間も、元気いっぱい体を動かしていました。もう、脱帽です。私にはできません。

さて、その研修会のプログラムの中に「ドッジボール」のプログラムがありました。
実は、皆さんお馴染みのドッジボールは、体育の教材としてあまり適していないのです。
なぜって、一見、盛り上がっているドッジボールのゲームをよく見てみると、一部の子しかボールに触っていません。ほとんどの子は、内野で逃げ回っているか、早々と当てられて外野に行って暇そうにしているか、どちらかなのです。
だいたい、人を的にして当てるなんてゲームが、教材としてふさわしい訳がありません。
教材としてふさわしいのは、 1年生の「はしごドッチボール」ぐらいだと思っています。

でも、休み時間の遊びとして、やはりドッジボールは人気です。不動の人気でしょう。
ですから、「学級づくり」のアイテムとして、ドッジボールを使うのです。体育ではなく、学級づくりです。

例えば、「王様ドッジボール」いうものがあります。
チームの1人を「王様」として指名し、その子が当たったらゲームセットというものです。内野の人数が多かろうが、少なかろうが関係ありません。その子が当たったら、即刻ゲームが終わるのです。
はじめのうちは、王様の事を意識していません。普通に、ドッジボールをやって、王様だけが逃げている感じです。王様が当たると、何で当たったのかと責める始末。
でも. . .だんだんわかってきます。だんだん、自分のことは当たってもいいから王様を守る子がでてくるのです。
その瞬間をとらえて、教師は褒めます。
「よく、守った。立派だ。」です。
そうすると、王様の周りを囲むように固めて、自分は当たってもに王様にはボールを触れさせないようになってきます。

これって、「自己犠牲」ですね。自分のことは後回しで、相手のことを思いやることです。
私は、こんなこと言います。
「ああ、いいクラスだなぁ」
王様の時ボールは、自己犠牲、団結力を生み出します。