バッファローの精神

ロリー・バーデン著の「自分を変える1つの習慣」(ダイヤモンド社 児島 修訳)という本を読んでいます。
その中に、「バッファローの精神」という心に残るお話がありましたので、紹介します。

アメリカのコロラド州は、ロッキー山脈で有名なところです。
そのロッキー山脈の麓から、東側に向かって広大なカンザス平原が広がっています。
この森林と草原がどちらも豊かで広大である独特な地形のために、コロラド州には、バッファローと牛が両方、棲息しているのです。
このような地域は、世界でもあまり類を見ません。

さて、カンザス平原に嵐が近づいてきます。牛とバッファローは、どんな行動をとるのでしょうか。実は、牛とバッファローは異なる行動をとるのです。

嵐は西から接近してきます。しだいに風が強くなってきます。
牛は、西から嵐が近づいてくることに気付くと、そこから逃れるために東に向かって移動するのです。

しかし、問題があります。
皆さんが知っているように、牛は速く走れません。やがて、牛の群れは嵐に追いつかれてしまいます。他の方法を知らない牛たちは、そのまま走り続けるしかありません。
そのため、嵐を逃れるどころか、嵐とともに移動することになり、厳しい雨風を浴び続けることになるのです。

一方、バッファローはどのような行動をとるのでしょうか。
バッファローは、実に興味深い行動をとるのです。
バッファローの群れは、嵐が山頂を越えるまで動きません。そして、嵐が山頂を越え、カンザス平原に嵐がやってくると、嵐の方向に向かって、まっしぐらに猛進するのです。
嵐の中を突き進むことで、バッファローが雨風に打たれている時間は短くなります。
つまり、バッファローは、嵐から逃げず、嵐に向かって走ることで、「わずかな時間」しか苦痛を体験しなくてすむのです。

「避けられない問題」というものがあります。
そして、私たちは、とかく、この「避けられない問題」を直視せず、できればなかったことにしたい、そんなのたいしたことではないと、「無視」しようとします。

でも、「避けられない問題」は決してなくなりません。「無視」しても、だんだん、嵐のように近づいてくるのです。
そして、どうにも無視できないくらいまで問題が近づいてきた時に、慌てて逃げだそうとします。
しかし、問題はずっと追いかけてきます。
問題は、先送りすればするほど、悪化するのです。

だったら、私たち人間もバッファローと同じように、「避けられない問題」に取り組みましょう。
問題から逃げず、正面から立ち向かうのです。
バッファローのように勇猛果敢に、問題解決を常に心がけることが、「成功」を導きます。