視覚の知覚過敏

「うちの火星人 5人全員発達障がいの家族を守るための取扱説明書」(平岡禎之著 光文社)という本がAmazonの「障害者」のカテゴリーで一位となっています。
えっ、火星人て何?どうして、そんな呼び方をするのでしょうか。
それは、発達障害の家族が、一般の人と感覚にあまりに開きがあり、日本人と外国人以上に違うので、自分たちの感覚を“特別な個性”として、一家で「火星人宣言」したという設定だからなのです。

さて、
本の冒頭に、マンガに描かれた彼らは、外出時、外界の刺激ストレスから身を守るために「ヘルメット」を着用していると説明されています。
確かに、発達障害の子は「知覚過敏」です。
現実には、「ヘルメット」をかぶるわけにはいきません。ですから、「知覚過敏」の元をできるだけ少なくすることで、発達障害の子が学びやすく、くらしやすい環境をつくることができるのです。

視覚の知覚過敏
発達障害の子の中は、情報の刺激がいっぺんに目に飛び込んできてしまう子が多いです。
人は多くの刺激がある環境でも、注意を向けたい刺激を意識的・無意識的に選ぶことができます。しかし、視覚の知覚過敏がある場合には、全ての知覚情報を均等な濃さで受け取ってしまいがちです。だから、たくさんのもののある場所は苦手です。
また、明るいところやカラフルな色のものは苦手です。(家電量販店やドンキホーテのようなところが苦手なのです)

ですから、教室に前面(黒板の上など)を飾り付けると、すぐそちらに意識がいってしまいます。また、前を向いているだけで疲れてしまいます。
これを避けるためには、できるだけシンプルに、何も掲示しないのがよいのです。
刺激の元を減らします。