教師のお墨付き 「これ、○○さんと同じ考えだ」

おはようございます、渡辺喜男です。

私は「討論」(話し合い)の授業の際、必ずノートに自分の考えを書かせていました。
その上で、これも必ず、ノートを確認していました。
確認のやり方はいろいろあるでしょうが、私は「書けたら、ノートを先生に見せにいらっしゃい」と言っていました。

ノートを確認する目的は、4つです。

1 自分の考えが持てない子は誰か把握する
「全員」にこだわっている先生なら、誰がまだノート見せに来ていないか、すぐわかります。そうしたら、すぐに何らかの手だてを打つことができます。

2 答え方の間違えを正す
考えを持ったとしても、答え方が間違っている考えであれば、その考えを発表させるわけにはいきません。
発表させたら、返ってその子に恥ずかしい思いをさせるだけです。
「縄文人は、現代人より長生きか」という発問に対して、「殿様はいいものを食べていた」と答えてきたら、その勘違いを正してあげます。

3 答えの分布を把握する
ノートを次々と見ていくことで、どんな意見が出されたのか、どの意見が多くてどの意見が少ないか、正解の子は誰なのか…などの考え・答えの分布が把握できます。 それによって、誰から発表させようか、どの意見を最後に持ってこようか…などの授業プランを瞬時に組み立てることができます。

4 声かけで子どもを励ます
子どもがノートを見せに来たら、
「いいですねえ」
「おもしろい」
「なるほど」
「よく考えた」
などと、声をかけていきます。

子どもの考えに

教師の「お墨付き」

を与えるのです。
自分の考えに自信のない子に「あなたの考えはOKだよ」というメッセージを送るのです。

その上で、
「ユニークだねえ」
「これ、初めての考えだ」
「先生も考えつかなかった」
と言うことがあります。
これは「めずらしい考えだから、発言する価値がある」というメッセージです。

また、これは先日の講座で紹介をしたら、なるほどと驚く方が多かったのですが、
「これ、○○さんと同じ考えだ」
と言うこともあります。
私は、主に、おとなしい子に対して言っていました。
これは「あなたには仲間がいる」というメッセージですね。
「あなたには、仲間がいるからだいじょぶですよ。安心して発表してごらんなさい。」なのです。