中高生の読解力ピンチ

おはようございます、渡辺喜男です。

「東ロボくん」を知っていますか?

国立情報学研究所の新井紀子氏が進めた「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトの人工知能・AIの名称です。
その新井紀子氏が、人工知能・AIの弱点であり、人間の優位性である「読解力」について調査・研究を行っています。

「読む」力を測る リーディングスキルテスト(RST)
https://www.s4e.jp/

です。

その読解力調査が、一般に使われている教科書の文章を用いた問題を使って、中学生、高校生に対して行われました。

その一部が公開されましたので、答えてみてください。

問題1 中学の教科書から引用
「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」の文が表す内容と「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。

問題2 中学の教科書から引用
「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている」を読み、オセアニアに広がっている宗教は何か、答えなさい。

さすがに、ちょっと込みいった問題ですので、少しばかり考えてしまうかもしれません。

では、中学生、高校生がどのくらい間違えたかを示します。

幕府問題では、「同じ」と誤答した中学生は約43%、高校生でも約28%が間違えました。

オセアニア問題では、「キリスト教」と答えられなかった中学生は約38%、高校生は約28%でした。

この誤答率を高いとみるのか、低いとみるのかは意見が分かれると思います。

が、この調査に関わった北海道の教育機関の先生は「予想以上に低かった」とコメントしています。
私も、中学生で4割、3割の間違いは多いと思います。

小学校に対してだったら、私は「こんな問題は、こうやって解くんだよ」という問題の解き方も含めて、作業を取り入れた学習を組みます。

問題2だっこら、こんな感じでしょうか。

・各宗教を○で囲みなさい。
仏教、キリスト教、イスラム教を○で囲んだことを確認します。

・オセアニアにラインを引きなさい。
オセアニアにラインを引いたことを確認します。

・「オセアニアの宗教はなんですか」答えなさい。

答えが浮かんでくるような作業をさせれば、そんなに間違えないと思います。

さて、
このリーディングスキルテスト(RST)の全部を閲覧したいのですが、まだ公開されていません。
楽しみにしていましょう。
https://www.s4e.jp/example