「木こりのジレンマ」のお話

おはようございます、渡辺喜男です。

「木こりのジレンマ」というお話をご存知でしょうか。

昔々、一人の木こりが材木屋に仕事を探しにいった。

給金はよく、仕事の条件もさらによかったので、木こりはそこでしっかり役に立とうと決心した。

最初の日、親方のところへ挨拶に向かうと、親方は斧を一本手渡して、森の一角を割り当てた。

男はやる気満々で森に向かい、その日一日で18本の木を切り倒したのだった。
「よくやったな」親方は言った。「この調子で頼むぞ」
翌朝は誰よりも早く起きて森に向かった。

ところが、その日は努力も虚しく15本が精一杯だった。
「疲れているに違いない」
そう考えた木こりはその日、日暮れとともに寝ることにした。

夜明けがくると、18本の記録を超えてやるぞ、と心に決めて床を出た。
ところが18本どころかその半分も切り倒せなかった。

次の日は7本、そのまた次の日は5本、そして最後には夕方になっても2本目の木と格闘していた。

何と言われるだろうとびくびくしながらも、木こりは親方に正直に報告して、これでも力のかぎりやっているのです、と誓った。

親方は彼にこう尋ねた。
「最後に斧を研いだのはいつだ?」

「斧を研ぐ?研いでいる時間はありませんでした。木を切るのに精一杯です」

ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから (アスキー新書)から

取り組み(仕事)を、重要と緊急のマトリックスで分類します。
すると、次の四つに分類されます。

1 重要かつ緊急である
2 重要だけれど緊急でない
3 重要ではないが緊急を要する
4 重要でもないし緊急性もない

どの取り組み(仕事)から、手をつけますか?
当然、一番は、「1 重要かつ緊急である」ですね。

では、次は、どちらに手をつけますか?
「2 重要だけれど緊急でない」ですか?
「3 重要ではないが緊急を要する」ですか?

これは、「2 重要だけれど緊急でない」をより優先すべきなのです。

この木こりは、木を切ることが重要だと考えて、斧を研ぐことを後回しにした結果、切った木の数が減ってしまいました。
木を切ること(本来の仕事)が忙しくても、ある時間を斧を研ぐことに使っていれば、もっとたくさんの木を切り倒すことができたのです。

確かに、教師の仕事は忙しいです。
ですが、時間をなんとかやりくりしてセミナーに参加することで、スキルアップできます。
そのスキルアップが、仕事を軽減し、より楽しく、より有意義なものにするのです。