必要のない依頼文書をバッサバッサ捨てる

ずいぶん前のこと、ある学校に研究授業を参観しにいって、驚いたことがあります。
4年生の教室に入り、何気なく教室の後ろを見上げると、習字がずらっとはってありました。

その文字が、なんと「青色申告」「申告納税」だったのです。

おそらく税務署から、学校に「税の習字コンクール」出品のチラシなどが回ってきて、その学級はそれを受けて、子どもに書かせたのだと思います。

しかし、この事態に違和感を覚えるのは私だけでしょうか。
個人で書く(応募する)ならまだしも、4年生が学級全体で書くとは、どうも変です。
(国税庁が毎年実施している「税に関する書道コンクール」です。)

学校は、系統的に教育計画を立案し、計画的に実施していくところです。
この立場を貫けば、教育計画の範囲外の事柄を、突発的に依頼されたら、拒否できるはずです。
4年生の書写のカリキュラムに、「青色申告」「申告納税」はありません。

しかし、「青色申告」「申告納税」を題材に書写を行うクラスが、実際にあったのです。
教育計画の範囲外の依頼を拒否しなかったからですね。

学校は、もう余分なことをやっている余裕はない。
学校は、学校教育本来の中心的なことをもっと充実させたい。
そんな思いをもつ先生は、たくさんいると思います。
私もそうでした。

ですから、教務主任となり、校外からの依頼を選別できる権限を与えてもらった時には、必要のない依頼文書をバッサバッサ捨てていました。

でも、こんなことは、教務主任でなくてもできます。
「○○主任」と名がつく立場の重要な仕事は、必要のない依頼文書を捨てることだと考えています。

おまけです。
ある税に関する書道コンクールにおいて、「増税」と書かれた作品が金賞になったとウエブで見つけました。
あまり、笑えません。