科学における「再現性」

理科の授業では、ある仮説を立て、話し合いをして、実験を行います。

これは、「科学」のあり方、そのものです。

ここで、大切なのは「再現性」です。
再現性とは、字のとおり「再び現れる性質」のことです。ある人がおこなったのと同じ実験を、別の人が、別の時に、別の場所で実験しても、再び同じ結果にならなくてはいけません。 科学的であるためには「再現性が高い」ことが、とても重要です。

スタップ細胞の信ぴょう性が欠けたのは、提示された通りに実験しても、スタップ細胞が出現しなかったからです。

よく、「○○を飲んだり、食べたりしたら、効果があった」テレビCMを見ます。例えば、「○○汁を飲んだら、健康になった」というものです。 この場合、テロップでは「個人的な感想です」と流れてしますね。

体験談の多くは、実験とは違いますので科学的根拠にはなりません。
体験談は、実験の条件が示されていないものが多く、条件が分からなければ再現できません。

でも、効果があったという人がいることで、信用してみようかな、やってみようかなと考える人がいることは確かです。

子どもも同じで、理科の授業で「お風呂が冷たいときに入って、お風呂をわかしていたら、上からあたたまった」という自分の体験を論拠にすることがあります。 これって、信用してみたくなります。

また、「専門家が言っていた」ことが必ずしも科学的な裏付けにはなりません。
たとえ専門家であっても、その情報が「その人1人だけが主張していること」であったり、論文がなかったり、再現性が確認されていない、という場合もあるからです。

理科の授業で、お父さんが言ってたとか、塾の先生が言ってたと子どもが言うことがあります。
いやな感じがしますが、大人という権威がありますので、少しは信用されます。

こういう「個人的な体験」「専門家の意見」も、理科の話し合いで出てきます。
その時を捉えて、実際に実験する大切さや「科学における再現性」についても、教えてほしいと思います。