「ぼけ」は1年生担任特有の技術

4月1日に、1年生担任限定教え方セミナーを、私の教育サークルで開催しました。
その講座を見ていて、「これって1年生担任特有の技術だな」と思ったことがありました。
それは、「ぼけ」です。

私は、1年生担任になったとき、入学式直後の学級での時間に、こんなふうに1年生とやりとりをしたことがありました。
当時の学級通信です。

・挨拶(じらす)
「まだ、先生と挨拶してなかったよね。こういう朝の挨拶は「こんばんわ」って言うのだよね。」
と言うと、この先生、アホか、という顔で
「違うー。」
「じゃあ、いただきます、って言うんだ。」
 どうも、本当のアホみたいだ、という感じで
「違うー。違うー。おはようっていうんだよ。」
「そうか」
 と、全員を立たせ、椅子を入れさせ、おはようございます、の挨拶をしました。

「じらす」というか「わざと間違える」というか、とにかく真顔で「ぼけ」て見せるのです。
すると、真面目な1年生は熱くなって、それを訂正しようとしましす。
いや−、本当に机を叩かんばかりにして、訴えてきます。

・クイズ(保護者がきたら)
保護者の方々がいらっしゃったので、ぼけながら、だめ押しのクイズをしまた。
「1年1組の先生の名前は、アンパンマンです。」
「違うよー」
「じゃあ、先生の名前は、池田先生だ。」
「違うー」
「では、本当の先生の名前は?」
「わたなべよしお先生!!」
 そうこなくちゃ。もうこれだけしつこくやれば、覚えるでしょ。
「次のクイズは、みんながいるクラスは、1年8組です。」
「違うよー。」
「では、1年2組です。」
「違う、違う。」
「では、本当のクラスは?」
「1年1組!!」
 そうです。ズバリ正解。
「最後のクイズは、○×クイズです。明日、・・・小学校は、お休みです。○と思う人」
 胸の前で、×印を作る子がいっぱいいました。誰一人として、手をあげません。
「では、明日も学校に来るんだよ」
「ハーイ。」
 全員の手が思いっきりあがりました。

「ぼけ」という変化のあるくり返しで、何度も私の問いに応答させています。
集中もさせています。

決して品が良いとは言えないでしょうが、「ぼけ」は1年生担任特有の技術なのです。
まっ、その人のキャラもあるでしょうがね。