「平均」を疑おう

昨日、日能研の問題でも示しましたが、どうも「平均」という概念をあまり信用しない方がよさそうです。
それは、ばらつきが考慮されていないからです。

年に一回、「平均所得」なるものが、厚生労働省から発表されます。
正式名称は、「国民生活基礎調査の概況」の中の「各種世帯の所得等の状況」です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html

平成28年度でみると、

平均所得金額 545万8千円

です。
これって、高いと思う人が多いのではないですか。
「私は、そんなにもらってません」とか「周りを見ても、そんなに稼いでいる感じがしない」とか感じるのではないでしょうか。

実は、

中央値 428万円
(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)

なのです。
もっと言うと、平均所得金額(545 万 8 千円)以下の割合は 61.4%なのです。

平均と言うと、真ん中の印象があります。
が、この場合は、平均以下に大きく偏って分布しているのです。
低所得世帯数の多いこと、高所得の世帯が非常に高額を稼いでいることによって平均所得がかさ上げされています。

添付したグラフを見れば、一目瞭然です。

「平均」を疑ってかかる姿勢が大切ですね。