成年年齢に関係する民法改正の趣旨

民法が改正され、明治時代以来続いていた成年年齢が20歳から18歳に変更されました。
すぐに、テレビにおいて、成人式が18歳になったら大学受験と重なるから困るとか、成人式が変更になると晴れ着業者はどうするんだなどという話題が、ワイドショーで流れていました。

もちろん、そのような問題も解決していくことだと思いますが、それよりも今回の成年年齢に関係する民法改正の趣旨をきちんと了解し、子供たちに教える方が大切だと考えました。

では、法務省のホームページを見てみます。
そこには、今回の成年年齢に関係する民法改正の趣旨をこのように説明しています。

法務省 民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218.html

平成30年6月13日,民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立しました。
民法の定める成年年齢は,単独で契約を締結することができる年齢という意味と,親権に服することがなくなる年齢という意味を持つものですが,この年齢は,明治29年(1896年)に民法が制定されて以来,20歳と定められてきました。これは,明治9年の太政官布告を引き継いだものといわれています。
成年年齢の見直しは,明治9年の太政官布告以来,約140年ぶりであり,18歳,19歳の若者が自らの判断によって人生を選択することができる環境を整備するとともに,その積極的な社会参加を促し,社会を活力あるものにする意義を有するものと考えられます。

これを読んでわかるように、成年年齢の変更の趣旨は、大きく分けて二つです。

一つは、若い人たちに自らの判断で人生を選択できる範囲を広げたということです。
親に代表される年配者に頼らず、自分の考えをもち自分の責任において、自分の人生を選んで生きていってほしいという願いを込められているのです。

もう一つは、若い人たちにもっともっと社会に参画してもらうよう自覚を促すということです。
高齢化・人口減少社会が進むわが国において、若い人たちがこれからの社会の中心にならなくては、我が国はきっと立ち行かなくなります。 若い人たちの手でこれからの社会を作っていっていってほしいという願いがこめられているのです。
これは、もちろん平成16年に施行されたの公職選挙法の改正で「18歳選挙権」が実現したことと関連しています。

今回の改正は、平成34年4月1日から施行されますので、小学校では6年生の社会が中心なると思いますが、どこかでこういった趣旨に触れてほしいのです。