民法が改正され、明治以来続いていた成年年齢が20歳から18歳に変更されたことに伴って、女性の婚姻年齢を18歳に引き上げ,男女の婚姻開始年齢を統一することになりました。 本当に、スッキリしたと思います。
現行の民法では、婚姻適齢と父母の同意について、以下のようになっています。
第731条 男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、婚姻をすることができない。
第737条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
これが、成年になった時をもって、自身の意思のみによって婚姻できるようになったのです。
それにしても、これまで、なぜ男は満18歳、女は満16歳と違いがあったのでしょうか。
疑問です。
そもそも、その理屈はどんなものなのでしょう。
外務省のホームページにある外国向けの「よくある質問集」に、こんな記述があります。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/0111/11a_016.html
(結婚における法律上の男女間の差異)
婚姻に関して、我が国では、男は満18歳に、女は満16歳にならなければ、婚姻をすることができないものとされている。
(中略)
しかし、男女の間には、肉体的・精神的側面において、婚姻に必要な成熟に達する年齢に差異がある。婚姻適齢の差異は、このような男女の肉体的・精神的側面の差異に対応したものであって、合理性があるから、条約には抵触しない。
これに対して、私は素直に頷けません。
肉体的・精神的な側面の差違は、男女差というよりは、個人差です。
肉体的に早熟な男性もいるし、精神的に幼い女性もいます。
そんなバラバラなものを一律に、男女差とくくってしまうのは無理があるのです。
これまで、「男女の肉体的・精神的側面の差異」とされるものを補完してきたのは、日本の「家制度」「家族制度」です。
女性は「学業も仕事もしなくてよいから、家に入って子どもを産みそだてるものだ」という社会的な通念が、この「男女の肉体的・精神的側面の差異」とされるものを補完してきたのです。
それが、大きく崩れている今、この「男は満18歳、女は満16歳」の枠組みを守り続けるのは無理があります。
父母の同意もいらないということは、成年になったら、自分の考えをもち自分の責任において、自分の人生を選んで生きていくという覚悟を伴いますね。 それが、「成年」ということだと考えます。
この男女の婚姻開始年齢を統一に関しても、小学校では6年生の社会が中心なると思いますが、ぜひどこかで触れてほしいのです。