2018/06/26の産経新聞の教育コラム「解答乱麻」において、向山洋一氏が「行き過ぎた給食指導」について書かれています。 これは、私がこれまでメルマガで何度も触れてきたことです。
産経新聞 解答乱麻 http://www.sankei.com/column/news/180627/clm1806270005-n3.html
向山氏が、このコラムで、そして、これまでもくり返し述べているのは、「実際に食べること」と「食の指導」を分けて考えようということです。
「食の指導」とは、「もったいないこと」「いただきますの精神」「バランスよく食べること」「日本食のよさ」などを教えていくことです。
しかし、その指導が「実際に食べること」と結びつくと、
・もったいないから全部食べなくてはならない
・生き物をいただいていのだから全部食べなくてはならない
・バランスよく食べることが大切なのだから配膳されたものは全部食べなくてはならない
・・・
と考えて、体格も味覚の好みも発達段階も違う子たちを「全員一律」に「同じ量」で食べさせることになります。
それは、「無理強い」であり「強制」です。
そうではなくて、
一方で「食の指導」を行いつつ、その子の特性、発達段階などに合わせて、柔軟に実際に食べることを指導していくべきなのです。
向山洋一氏は、勤務していた学校の「教育課程の冊子」に、以下のように明記していたと述べています。
「躾(しつけ)はきちんと指導されなければならないが、それは『忘れ物をする』などのだらしなさが、個性の伸長等に妨げになるからである。従って躾は段階をふまえ、準備をしてする必要がある。過度に高い水準を実態をふまえず、一律に強いることは行わない。例えば、体罰、授業中・掃除時間にくいこむ食事の強制、学校に来るのがいやになるほどの指導は行わない。それにかわるよい方法を検討し実施する。人間は何にもまして大切であり、尊重されなければならないことを絶えず指導する」
これは、向山洋一氏が書いたものですが、生活を指導する基本は「個性の伸長」であることがよくわかります。
もし、栄養士の先生、給食担当の先生らが「全員に全部食べさせて下さい」「クラスで残さず食べて下さい」などと声高に言ったら、一律「強制」の指導でなくその子の個性に合わせた指導をしていくべきだと、きちんと反論してほしいのです。