遅いテンポのBGMを流すことで売上が増える

街の横断歩道を渡っていると、歩行者用信号の大きな点滅音が聞こえてきます。
最初の点滅のテンポはゆっくりですが、最後の方の点滅のテンポはせわしなく、慌ただしいです。
このせわしない点滅の音を聞いているだけで、早く渡らなくちゃという気持ちになってきますね。
それってなぜなんでしょう。

音楽には、人の心を動かし、ある行動を促す効果があるのです。

小売店のBGMの効果を研究した実験があります。
その実験によると、テンポの速いBGMは買い物客の歩く速さを速めることがわかりました。また、売上はテンポの遅いBGMのほうが速いBGMよりも高くなりました。 人は意識せずにBGMのテンポに合わせて歩くのです。
私が、歩行者用信号の点滅音が速くなると慌てて横断歩道を渡ったのはこの効果です。
また、遅いテンポのBGMを流すことで買い物客の歩く速さが遅くなり、店に滞在する時間が長くできたのです。そのため、多くの商品に目が向けられて、売上が増えました。

飲食店のBGMの効果を研究した実験もあります。
テンポの遅いBGMを流すと、速いBGMよりも、お客が店に滞在する時間が長くなることがわかりました。また、アルコール飲料の消費量を多くすることも明らかになりました。 ゆっくりとしたテンポのBGMを聞くと、ゆったりと食事してしまうのですね。

まとめてみます。
速いテンポ=歩く速さが上がる
     =食べる速さが上がる=(速く食べ終わるので)お客の回転が上がる

遅いテンポ=歩く速さが遅くなる
     =食べる速さが遅くなる=(じっくり飲み食べるので)お客の購買単価が上がる

さて、教室にはbgmはありません。
しかし、教師の語りは環境音楽(BGM)のようなものです。

ですから、すばやく行動させたいときは早口で語り、ゆっくり行動させたいときはゆったり語ることを意識するだけで、子供を無理なく動かすことができます。 上手だなあと思える先生の語りには、絶妙な緩急があるのです。