男の子は、なぜ虫が好きなのか

男の子は、なぜ虫が好きなんでしょうか。
3年生を担任していた時、生き物係の男の子達は休み時間になると、教室を飛び出し、学校の裏手にある草原と池に虫を捕りに行っていました。 そして、
女の子は、なぜままごとが好きなんでしょうか。

脳科学者の澤口俊之氏は、男の子の「虫好き」には脳科学的に意味があると言います。同じく、女の子の「おままごと遊び」にも意味があるのです。 男の子の脳が、目指しているものは「狩猟」なのです。一方、女の子の脳が目指すものは「子育て」です。脳は、目的(狩猟・子育て)を達成する能力を伸ばそうとします。 このことは、よいとか悪いとかではなく、人類の数十万年もの進化の過程で習得した自然な過程であり、人間である限りこの自然な過程に逆らえません。

男の子が虫好きなのは脳にとって極めて自然なことであり、女の子がままごと好きなのも脳にとって極めて自然なことなのです。

澤口俊之氏はなおも言います。
「脳は男性と女性で差があり、各脳領域の大きさや形に違いがあります。
まず男性脳についていえば、男性脳は未来志向的で感情に流されにくく、理性的です。また、日、月、年単位で計画を立てて行動しようとする傾向があります。
一方、女性脳は男性脳より感情的で、また予定を乱されてもそれほど気にしない傾向があります。それは子育てで訓練されてきた歴史があるからと考えられています。赤ちゃんが泣きだしたらそれに共感して、予定を変えてでも子供の世話を優先してきたからでしょう。」 「幼児教育と脳」 澤口俊之

男性と女性では、脳の特性が違い、それによって考え方・感情のもち方・行動パターンが異なってくるのです。

そう言えば、思い当たることがあります。
男の先生が多い高学年の学年研と女の先生が多い低学年の学年研の違いです。

私は、若いうち、ずっと5、6年の担任でした。
その時の学年研は、高学年は、学年メモなどを使って、スケジュールを確認しながら、きちんと時間通りに学年研をしていました。

ところが、希望がかなって初めて1年生の担任になったときのこと。
その1年生の学年研は、いつ始まったのか、いつ終わったのかさえわかりませんでした。
話し合っているのか、おしゃべりしているかもわかりません。話があっちに行きこっちに行きで、なにやら「やっといてね」「やっときます」みたいな感じで決まっていきました。 もやもやっとしていました。

今思うと、これも男性脳と女性脳の違いだったと思います。

あのときは反発する思いしか浮かびませんでしたが、もし脳の違いを了解していたなら、いくらか寛大な心で「提案」や「参画」ができていた気がします。