文部科学省「宿題代行への対応について」

8月29日、学校によって夏休みが終わる直前、または夏休みが終わった直後、先生たちにとって、少なくとも私にとって、衝撃のニュースが飛び込んできました。 文部科学省が、メルカリなど3社と子供の「宿題代行」の出品を禁止することで合意したと発表したのです。

そんな商売があるのか?と、さっそく文部科学省のサイトに行ってみました。
ありました、ありました。
以下は、メルカリとの合意文書です。

宿題代行への対応について
平成 30 年8月 29 日
株式会社メルカリ
文 部 科 学 省
この度、株式会社メルカリと文部科学省は、宿題代行について、以下の通り合意しました。
1.株式会社メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」において、宿題代行に関する役務を提供することはこれまでも禁止としていましたが、宿題の完成品の売買についても禁止であることを明確化するとともに、宿題代行に関する出品を発見した場合には、速やかに商品削除等の対応を行います。
2.文部科学省は、各学校が家庭と連携し、子供たち一人一人にとっての宿題の意義やその適切な在り方を改めて考えることを促すなど、自分で宿題に取り組むことの大切さを周知してまいります。 3.株式会社メルカリと文部科学省は、宿題代行への対応について、今後とも相互の連携・協力の下、子供たちの未来を第一に考えて取り組んでまいります。 文部科学省 宿題代行への対応について
http://supervisor-ex.com/L90494/b100/12441

おいおい、マジですね、これ。
もしかしたら、「宿題代行」というサービスを売買できる「業態」(職業)が存在しているのかと調べたら、堂々とありました。
悲しい気分になりますが、ニーズがあるってことです。

では、どんな宿題を代行し、その料金はいくらか調べてみました。

読書感想文 1枚3000円〜
絵画1枚4000円〜
自由研究5000円〜
工作23,000円
ドリル1冊5000円〜

なんだか、相場はないようで、業者によってバラバラです。
読書感想文講座を社会貢献活動として行った私としては、複雑な思いです。

驚いたのは、卒論代行があることです。
その料金は、20,000字で17万5,000円とのこと。
そんなのありですか。これって、違法で「単位」はもらえませんよね。

さて、
宿題が多い、そもそも宿題があるからいけない、中学受験塾で忙しくてやっていられないという宿題代行OKの意見もあります。
しかし、それは(これだけ長い夏休みがありながら)「自力でやらなかった理由」として、自力でやった子に対して説得力をもちません。

何より、学校・先生・友だちに対して、嘘をつくことを子どもに教えてしまうのが一番いけません。
学校・先生・友だちは、その子がやった宿題だと当然思っています。
「すごいな」「上手だね」と自分がやったのではない作品を誉められて、その子はどんな気持ちになるのでしょうか。

どんなものでも、自力で宿題はやるのが大前提です。
まあ、親の力は借りることはあるのですが。