雨が降ってきた。やばいっすよ。
このぶどう、マジやばい。
これって、何を表しているのでしょうか。
少し翻訳?します。
雨が降ってきた。やばいっすよ。=雨が降ってきた。困ったなあ。
このぶどう、マジやばい。=このぶどう、本当においしい。
もともと「やばい」という言葉は、「あぶない」「困った」など、具合が悪いことを表す言葉でした。
「やばい。家のカギをなくしちゃった。」などと使っていたのです。
それが、いつの頃からか、意味不明?に、意味がふくれあがって、真逆のことも表す「副詞的」な言葉になってしまいました。
おいしくてもまずくても、困っても便利でも、かっこよくてもかっこわるくても、なんでもかんでも「やばい」の一言です。
判断するためには、その前後のことがわからないと、どんな意味で「やばい」を使っているのかさっぱりわかりません。
さて、
なんでもかんでも「やばい」と表現してすませるのは、その人の思考にとって、かなり「やばい」状態だと思います。
認知症予防脳トレの因子の一つに、「言語活用力」があります。
「言語活用力」を刺激するプログラムを行うことで、脳を活性化させ認知症を予防することができるのです。
その認知症予防脳トレの説明冊子には、「言語活用力」についてこんなことが書いていました。
言語活用力は、思考のベースになる因子です。人は、その人が持っている言語活用力以上の思考はできないとさえいわれています。
なんでもかんでも「やばい」と表現してすませるのは、事柄を細かく分類してそれにふさわしい表現ができないということです。
とすると、自分の気持ちや振るまいの理由を非常に大ざっぱにしか分析できません。
当然、他の人に自分の気持ちや振るまいの理由を、他の人に説明することもできません。
これって「やばい」です。