敵は・・にあり

東急線に乗ったら、つい車内を捜してしまうのが日能研の「シカクいアタマをマルくする」問題。
先日、新作?を見つけました。

私が少し離れて問題を読んでいると、家族連れがやってきて、お父さんと小学生の娘さんがこんなやりとりをしました。

「これ、わかるかい?」
「わかんない」
「これは、江戸の敵を長崎で討つ、だな」
「これって歴史なの。だったら5年生の私は習ってないよ。6年生から歴史を習うんだ。」
「そうか。」
とお父さんは自慢できずに、渋い顔になってしまったのでした。

でも、これって社会の問題ではありません。2018年 日本大学藤沢中学校の「国語」の入試問題なのです。
歴史に関する慣用句?です。

では、問題を示します。

(問)次の(ア)〜(オ)はすべて慣用句です。
・・にそれぞれ場所を表すことばを入れたとき、ここ藤沢市(ふじさわし)からもっとも遠い場所にあたるものはどれですか。
記号で答えなさい。
(ア)江戸(えど)の敵を・・で討(う)つ
(イ)・・評定
(ウ)・・の舞台(ぶたい)から飛び降りる
(エ)牛にひかれて・・参り
(オ)敵は・・にあり
http://supervisor-ex.com/L90494/b100/12771

私は、「今回はやさしい」と思いながら一つ一つ解いていきました。

(ア)江戸(えど)の敵を・・で討(う)つ
これは「江戸の敵を長崎で討つ」です。

(イ)・・評定
これは「小田原評定」。

(ウ)・・の舞台(ぶたい)から飛び降りる
「清水の舞台から飛び降りる」ですね。

(エ)牛にひかれて・・参り
これは「牛にひかれて善光寺参り」です。

次々と地名を答えているうちに、その場所に行った記憶がちらっちらっと浮かびます。

(オ)敵は・・にあり
と、私の脳は他のことを思い浮かべてしまいました。地名ではありません。
「敵は我にあり」
名監督 ID野球 ぼやきの 野村克也氏の書籍名です。

並の選手と一流選手の違い。並の選手にとって、敵は「相手」だが、一流選手にとって敵は「自分の中」にある。
一流選手と超一流選手の違いは、一流選手は「勝ちパターンを持っている」のに対し、超一流選手は「勝ちパターンが多い」。常に進化・変化していて、成長に対して壁がない。 http://supervisor-ex.com/L90494/b100/22771

そんなことを考えていたら、肝心の「敵は・・にあり」がわからなくなってしまいました。
うーん、うーんと頭の中をさがすのですが、浮かんできません。

電車が目的とする駅に着きました。
私は「このまま思い出せないか」とくやしい気持ちをひきずって、電車を降りたのです。
その時、ぱっとひらめいたのでした。

敵は本能寺にあり