まじめな子を数える

あるクラスの集団が乱れ、他学年とのトラブルや他の先生からの苦情が相次ぐようになってきます。
そうすると、クラスの何もかもがだめなように捉えがちになります。
100%ダメだ、です。
そして、元気なく沈んでいってしまいます。

このような状態の先生に、向山洋一氏は次のようなアドバイスをしています。

「A しばらく、ほかの子ども(まじめな子)に目を向けてみるとよいこと。」

Aの助言は、落ち込んでる気持ちを立ち直らせてくれた。
伝染病のように、いやな事件が広がりつつはあるが、思えば、クラス全員乱れているわけではない。男子にも、女子にも、真面目で優しい子はまだたくさんいてくれた。沈んでいる私の肩を、休み時間のたびに揉みに来てくれる子だって、たくさんいた。 気が付かなかったその子たちの顔が頭に浮かんだ。気をつけてみると、子どもたちの優しさに囲まれていた。
「集団を統率するには法則がある」 向山洋一+師尾喜代子

私は、しんどいとき、まじめな子を数えていました。
目をこらして、まじめにやっている子を数えてみるのです。
すると、気が付かなかった違う光景が見えてきます。

「この列は、10人中6人がまじめにやっている。この列は、8人がまじめだ。そして、この列は、みんながまじめにやっている。」

このようにカウントすると、まじめにやっている子の多さが見えてきます。少なくとも、100%ダメではないことがわかるのです。 つらくとも、子供たちの前に立ち続け、授業をして教室の乱れを修正しようとしていることが価値あることだと、認識できます。

私は、まじめな子を数えることで、何度勇気づけられたかしれません。