干からびたカエルをよけてすすみゆくばいばい、わたしは夏をのりきる
これが、今年の「河野裕子賞 青春の歌」部門の受賞作です。
昨年の11/21に、河野裕子短歌賞の短歌を紹介しました。
早いもので、もう1年がたち、今年の優秀・入賞作品が発表されました。
河野裕子短歌賞は、産経新聞が主催し、
「家族や、家族と自分、家族のなかの自分を歌った短歌、愛する人に贈る歌」
を募集しています。
私たちは、「親守詩」という親子のふれあいを表現する短歌を募集し、表彰していますが、それとは異なる味わいの作品なのです。
その第7回の「河野裕子賞 家族の歌・愛の歌」(大賞)は、
夢に見る息子はいつも幼子で手をさしのべて助けてやれる
(大阪府豊中市 永田和美)
でした。
切ない歌です。息子は成長して自分の手を離れています。もう助けてやれない、自立して遠くに行くことを喜びたいけれど、なんだか淋しいです。 子離れをしなくてはいけません。
私の息子達が、中学・高校の頃を思い出す歌もありました。
玄関の靴がだんだん増えていく 晩御飯までもうあと少し
(東京・学習院女子高等科 田原 優衣)
じわじわと幸せが押し寄せてきます。
おっと、「青春の歌」部門の受賞作がありました。
干からびたカエルをよけてすすみゆくばいばい、わたしは夏をのりきる
(鳥取県立鳥取東高等学校 石名 萌)
そう、私たちは干からびたカエルになってはいけません。
そんなものには、力強く「ばいばい」です。
河野裕子短歌賞HP
https://www.eventscramble.jp/e/kawano