知能検査を開発したビネーの真意

知能指数「IQ」(Intelligence Quotient)を測定する知能検査。
私たち教師にとっては、就学時検診において、特別支援が必要な子かどうかを判定する検査として認識されています。
そこでは、測定された知能指数は固定的なものとして扱われます。判定の材料とされるのです。

ところが、この知能検査を開発したフランス人のビネーは、そのような判定の材料として開発したのではなかったのです。
「MIND SET」(キャロル・S・ドゥエック)に、次のように書かれていて、私はびっくりしました。

「ビネーがこの検査を考案したのは、公立学校の勉強についていけない児童を見つけ出して、特別な教育をほどこし、もとの軌道に乗せてやるためだった。子どもの知的能力に個人差があることは認めながらも、教育や訓練しだいで知能は根本的に改善できるとビネーは信じていた。」

えっと思いました。
ビネーはこう言っているのです。… 続きを読む

1週間に3回アウトプットするとよい

ここのところ、記憶の話題になっていますのでもう一つ。
国語の記憶・暗記の代表といえば、やはり「漢字」です。

漢字を覚えるのに効果的な方法はなんでしょう。
それは、なんといっても使うことです。

毎日毎日、同じ漢字を使っていれば、忘れるはずがありません。
例えば、渡邊の「邊」や齋藤の「齋」のように難しい字だって、当人が自分の名前として毎日書いていれば忘れるはずがないですよね。

覚えるのに効果的な方法はそのように漢字をたくさん使うこと、すなわち、アウトプットを繰り返すということなのです。
アウトプットを繰り返すことで、「想起」の段階を強化します。

樺沢紫苑氏の「読んだら忘れない読書術」に、このように書いてあります。

人間の脳には、膨大な情報が流れ込んでいます。そして、それが毎日続きます。そうした情報を全て記憶すると、人間の道はたちまちパンクしてしまいます。ですから人間の脳は入力された情報のほとんどを忘れるように作られています。正確に言うと「重要な情報」以外は、すべて忘れるようにできているのです。 … 続きを読む

記憶、それはいつも,はかない。

昨日、なかなか「敵は・・・にあり」が思い出せなかったことをお話しました。
かなりくやしいのですが、いったいどこに問題があり、どこにガタがきているのでしょう。

一般的に、記憶には、3つの段階があると言われています。
まず第一段階は「記銘」で、これは物事を「覚える」ことです。
第二段階は「保持」で、記銘したことを脳に「保存」しておくことです。
第三段階は「想起」で、保持していることを「思い出す」ことです。

だいたい、この三つをごっちゃにして、「記憶力がいい」とか「最近、記憶力が悪くなった」とか言っているのです。

私の場合は、「想起」「思い出す」に問題があったのです。

と、ある商品のCMが目に飛び込んできました。

「日常生活で、こんなこと思い当たりませんか?」… 続きを読む