「ルールを事前に明示すること」と「ルールを公正に適用すること」

今日は、昨日話題にした「学校安心ルール 大阪市のスタンダードモデル」を、その段階を追って考えていきましょう。

まず、「基本的な約束ごと」として、次の4つが挙げられています。

「基本的な約束ごと」
・嘘をつかない
・ルールを守る
・人に親切にする
・勉強する

各学校では、これらに、若干の補足内容(例えば、学習用具やあいさつ等)を加えているのが実情です。
一般的な「学校のきまり」のようなものです。

しかし、次の第1段階から、「してはいけないこと」に即した記述になります。

「第1段階」
(学習の時に)
・授業時間におくれる

(他の子に対して)
・からかう、ひやかす
・無視する
・物をかってに使う

(先生に対して)
・指導を素直に聞かない
・指導を無視する
・からかう、ひやかす

(その他のルールとして)
・物を大切にしない
・自分の机等に落書きする
・学校の物をかってに使う

そして、以上のような行動を子供がとったら、学校として次の対応をとると予告・明示されているのです。

(学校等が行うことができる対応)
・その場で注意
・場合によっては家庭連絡
・個別指導
・自己を振り返る活動

当然、第2段階においては、子供の行動もエスカレートし、学校の対応もそれに伴って強くなります。

「第2段階」
(学習の時に)
・授業のじゃまをする
・授業に関係のない話をする
・授業をさぼり校内でたむろする

(他の子に対して)
・仲間はずれにする
・悪口、かげ口を言う
・こわがるようなことをしたり言ったりする

(先生に対して)
・指導に対して反抗する
・挑発的な態度をとる
・バカにしたようなことを言う

(その他のルールとして)
・学校の物をこわす
・夜中に出歩き徘徊する
・カードやゲーム等で賭けごとをする

(学校等が行うことができる対応)
・その場で注意
・家庭連絡
・複数の教職員による個別指導
・数日間の自己を振り返る活動

私は、この「学校安心ルール 大阪市のスタンダードモデル」は、昨日も述べたように、「予防的」な効果があると考えています。

「ルールを事前に明示すること」と「ルールを公正に適用すること」で、子供はルールを守ろうとするだろうし、教師はためらいなく教え、指導を行えるだろうと考えるのです。

以後、大阪市の先生と会ったら、実際にどうなのか、突っ込んで聞いてみたいと思います。

「学校安心ルール 大阪市のスタンダードモデル」
http://supervisor-ex.com/L90494/b300/13311

「「ルールを事前に明示すること」と「ルールを公正に適用すること」」への6件のフィードバック

  1. 第1段階できちんと対処しておくことで、第2段階になって「拡散」することが減るのだと思います。

  2. >(学校等が行うことができる対応)
    が明記されている点が、よいと思いました。
    >「予防的」な効果
    も大いにあると思います。

  3. 「基本的な約束ごと」に「勉強する」と入っているのが印象的でした。
    原則が極めて端的に示してあり、分かりやすいです。
    学校は何をするところなのか、シンプルに示されています。

  4. ルールって、ネガティヴリストにならざるを得ないのですね。
    対応を明示することで、学校はやることが明確になり、家庭も指導を受け入れやすくなりますね。

  5. ネガティブリスト、なるほど。
    と同時に、ルールが、実は「より多くの自由」を保証していることを子どもたちに知って欲しい。
    高学年なら納得できるはず。

    これを、「市」が出しているところも大きいでしょうね。
    保守派の管理職も一般の先生を守りやすいのでは?

  6. (学校等が行うことができる対応)が明記されていることは、職場の教員を守ることにもつながると思います。管理職によっては、「おおごとにしたくない」と考え、教員が泣いて(我慢して)終わる場面を見たことがあります。子どもにとっても、教員にとっても安心な環境づくりに大切だと思います。

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