聞き返してきたら、感情を入れないで教えてあげる

「もう言いました」と突き放す対応は、ADHDの子にとってよくありません。

ADHDの子はワーキングメモリーが小さいだけで、やる気はあります。
そのやる気を「もう言いました」はつぶしてしまうのです。

ADHDの注意が足りない・集中力がないという「不注意」は、なぜ起こるのでしょう。

それは、「ワーキングメモリーが小さい」からです。

ワーキングメモリー(作業記憶)と呼ばれる脳の機能があります。
短い間、覚えておく記憶力です。

だいたい、一般的には3つか4つ覚えておけるワーキングメモリーがあると言われています。
だから、電話番号が覚えられるのです。

すると、
一般的には、
「教科書を出してたら、25ページの3の問題をやりなさい」の
・教科書を出す
・25ページ
・3の問題
をきちんと覚えておくことができます。

しかし、
ADHDの子はワーキングメモリーが一つしかないので
・教科書を出す

・25ページ

・3の問題
と一つしか覚えておけないのです。

まず、「教科書を出す」を覚えたのに、「25ページ」と言われると前の「教科書を出す」が、ぐいっと記憶から押し出されてしまうのです。

そして、次の「3の問題」と言われると、前の「25ページ」が、ぐいっと記憶から押し出されてしまうのです。

このように、記憶に残っているものが、次々と変わっていって、
「先生、どこやるの?」
と聞いてくるようになるのです。

これが、ADHDの子の「聞き返し」のメカニズムです。

でも、「聞き返す」ということは、「やる気」があるからこそ聞いてくるのです。
この「やる気」をつぶしてはいけません。

こういう時の対応について、専門の先生方は共通して、つぎのように言っています。

「聞き返してきたら、感情を入れないで教えてあげる」

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