ADHDの子の席は一番前

ADHDの子を学習に集中させるためには、教室前面をスッキリさせるなどの「教室の環境を調整」とともに、その子の席をどこにするかがかなり重要となります。

かつて、かなり衝動性が高いADHDの子を担任したとき、始業式のときから3日ほど出席番号順の席にしていて、トラブルが頻発したことがありました。 それは、ADHDの子が前の子の背中を突ついたり、髪の毛を引っ張ったりすることから起こったトラブルだったのです。

すぐに、席替えを行い、そのADHDの子を一番前の席にしました。
すると、トラブルはピタッと起こらなくなったのです。

その子は黒板を見るよりも、前の席の子に見てしまい、気を取られてしまっていたのです。

自分の視界に入るものが気になって、学習に集中できなくなることはADHDの子にはありがちです。
ですから、視界に入るものを学習に関連するものに限定してあげるのです。

「ADHDの子の席は一番前」

これは、鉄則です。… 続きを読む

子供たちの目に常に入る前面黒板周りはスッキリ

ADHDの子が、その1つしかないワーキングメモリーを、窓から見える運動場のサッカーの様子に使われていたら、学習に集中できるわけはありませんね。

通常の子だったら、例えば3つあるワーキングメモリーのうち1つをサッカーに使われていても、残りの2つで学習することができます。

しかし、そんなことがADHDの子にはできないのです。

ADHDの子を学習に集中させるためには、

「ワーキングメモリーを学習以外のものに使わせない」

ことが必要なのです。

そのためにも、

「教室の環境を調整する」

必要があります。
運動場のサッカーが気になるのだったら、カーテンを締めるのです。… 続きを読む

「指示を一つずつ出す」ことは必須のこと

そもそも、
「教科書を出してたら、25ページの3の問題をやりなさい」
という指示の出し方がよくないのです。

このような指示を出すから、
「先生、どこやるの?」
とADHDの子が聞いてくるようになります。

では、どんな指示を出せばよいのでしょう。

それは、ADHDのようにワーキングメモリーが小さい、例えば1つしかない子に指示を出すときは、

「指示を一つずつ出す」

のです。… 続きを読む