クラスに転校する子が出たとき、卒業生を送り出すとき、そんな「別れ」に際して、皆さんはどのような手だてを講じていますか。
私は、必ず「涙のハードルを下げる」手だてをとってきました。
私は、転校や卒業といった別れの際には、子供たちにできるかぎり「別れの感情」を味わわせたいと考えていました。
向山洋一氏が、こう言っています。
別れがあるから人の世は美しく
出逢いがあるから人の世はすばらしい
この言葉は、次のようにも解釈できるのです。
美しい別れがあるから
すばらしい出逢いがある
美しく別れることで、すばらしく出逢うことができるのです。
そして、
私は、美しく別れることは「別れの感情」を子供たちに十分に味わわせることだと考えていたのです。
さて、
「別れの感情」の代表は「涙」です。
ですから、別れに際して、子供たちに涙を流させたいと思っていました。
しかし、
何の手だても講じなけれは、子供たちは、感情に素直に従って涙を流すことをこらえたり、逆に泣いている子をはやし立てたりします。 これをやめさせて、「涙のハードルを下げる」ことが必要です。
小川幸一氏も、私と同様に、こんなふうに言っています。
「痛いとか悔しいとかで泣いてはいけないね。
でもね、感動したときや、人と別れることになって寂しい気持ちになったときの涙は、いい涙なんだ。
素直に涙を流しなさい。
じろじろ見たり、あっ泣いてるなんて言ったり、冷やかしては絶対にいけません。」
これだけで、涙のハードルは下がるのです。
「泣く」ことの意味も、教えていくということです。
涙を流すことは、かっこ悪いこと。流す人は面白い人。そんな考えで人生をずいぶん損してきました。新たな人と出会うときに背後にある別れを感じるからこそ、その出会いを大切に思える。もっと早く学びたかったです。
今日、必ず伝えます!!
いよいよ卒業式ですね。がんばってください。