低学年の子に、話を聞かせるために、
「よそ見をしていはいけません。」
「手いたずらはしないで。」
などと、注意を繰り返すのは心理的にいやですね。
でも、そんなとき、
「心のコップは上向きに」
と一言いえばよいのです。
この年度末、私は「教室の語り」の講座を担当しました。
その中で、低学年向きだと紹介したのがこの語りです。
「みんなの心の中には、コップが一つあります。
このコップは先生の話や友達の話が入るコップです。
ところが、このコップはあなたたちがよそ見をしたり、おしゃべりをしたり、手で何かイタズラしたりしていると倒れてしまいます。
だから先生の話や友達の話を聞く時は、話がこぼれないように、いつも心のコップを上向きにしておきましょう。」
この語りは、小松眞氏が清水春男氏の著書「ありふれたこと」の文章を小学生向けに手直しして、実践していたものです。
一度語っておくと、こちらが話そうとする時にざわついていたら、
「心のコップは上向きに」
と一言、コップを上向きにする動作をつけて言えば、子どもたちは話を聞く姿勢になります。