自己重要感を味わわせたいときも号令係を活用する

昨日、おとなしい子対策として、「ハンコ押し係」を紹介しました。
加えて、おとなしい子ではありませんが、自分は必要だ、重要な存在だと思わせたい子がいるときも、係を与えることがあります。

向山洋一氏がそのことを書いています。

始業式の日、何が何でも彼を褒めようと思った、そして、授業のあいさつの号令をする係にしようと思っていた。そうすれば、毎時間、彼は自分の仕事が与えられ、しかも授業開始の時に教室にいなければならないことになるからだ。僕は今まで授業を開始などの挨拶をしたことがなかった。そんなことをせずに、自然にすうっと授業に入った方がはるかに良かったからだ。しかし、そんな形式的な役でも、その時の彼には必要な仕事であった。 「斎藤喜博を追って」 向山洋一

この子は情緒障害をかかえ、友達に粗暴な行動をしたり、教室を飛び出したりしていた子です。
その子に、自己重要感を少しでも味わわせたいと、向山氏は、あいさつの号令係を彼に任命したのです。

おとなしい子、重要な存在だと思わせたい子がいたら、このような手だてもやってみてよいでしょう。

私は、おとなしい子に、そっと「おはよう当番かさようなら当番をやってみない?」と聞いていました。
おとなしい子も、みんなの前で声を出して号令することに、ちょっぴり憧れているところがあるのです。

すると、そのおとなしい子は、その号令をかける当番に立候補することもありました。