ノルウェーでは、いじめの原因を「マナー」「ルール」「精神病理」の三つに特 定する

学校において、「マナー」と「ルール」の区別が曖昧で、対応が不明確なことの典型が、「いじめ」問題だと思います。
その対応の不明確さは、いじめの原因の分類がもやっとしていてることから来てきているのです。

著書「日本を滅ぼす教育論議」の中で岡本薫氏は、ノルウェーにおけるいじめへの対応を紹介ししています。

いじめは、日本だけに限る問題ではありません。
たくさんの国において、いじめが問題となっていた(る)のです。

中でも、国際的に見て、いじめ問題が深刻だったのが北欧の国々だったと岡本氏は言います。
その中のノルウェーでは、1980年代から子供が自殺するなど深刻な「いじめが社会問題化」し、「いじめ大国」とまで呼ばれた時期がありました。 そして、様々ないじめ対策が進められたのです。

ノルウェーでは、いじめが起こった場合、そのいじめが、次の三つのうちどれに当てはまるのかを特定するのです。

1 モラルに関すること(「やさしくしなかった」などの事例)
2 ルールに関すること(学校のルールも含めた、犯罪に該当するなどの事例)
3 精神病理に関すること(精神病理学的な扱い受ける事例)

このような三つに、原因を分けて、それぞれに対して対応していくのです。
非常に、わかりやすいです。

しかし、日本ではどうなるかというと、すべて「心の教育」になります。

いじめが発生すると、文部科学省とか教育委員会が「心の教育の充実」や「いじめ研修の徹底」等の通達を出し、各学校は、それに対応します。 校長先生が、朝会で「命の大切さ」の話をするのは、こういうわけなのです。

「モラル」「ルール」「精神病理」等に区分けして、いじめに対応するような方策を考えていくべきです。

「日本を滅ぼす教育論議」 岡本薫