各学校で行われている「少人数学級」、果たして効果があるのでしょうか。
実は、こんな重要な教育政策について、効果があったかどうかという測定結果が出ていません。
ですから、やってよかったのかどうかの評価もできないのです。
ただ、「学力の経済学」(中室牧子著)において、横浜市の例が紹介されています。
横浜市の例といっても、意図的にコントロールして、効果を測定したのではありません。
自然に起こってしまった40人1学級と20人・21人の2学級が、横浜市の例なのです。
それで、効果の程はと言うと、国語においてわずかに効果はあったものの、他の教科においては小学校・中学校のどの学年においてもほとんど学力に変化はありませんでした。
このように、少人数学級は、学力の面においては効果が少ないのです。
(学力以外の面からすると、人数が少ないほうがはるかにゆとりができることは確かです。)
中室牧子氏は、これを踏まえて、「学力の経済学」で、以下のように提言しています。
それは、「一律に」少人数学級を行うのではなく、就学援助等が多い、低収入の地域の学校には少人数指導を手厚くするのです。
低収入の地域の学校に、たくさんの教育資源を投下をすれば、効果は上がると言います。
ただし、高収入の地域の学校には行いません。この地域では意味がないからです。
私は、低収入の地域の学校も高収入の学校も経験しています。いろいろな課題はありますが、この中室牧子氏の意見に賛成です。