「トロッコ問題」(「トロリー問題」とも言います)を、学級活動の授業で行ったら、児童の保護者から「授業に不安を感じている」という訴えがあり、学校長が謝罪したというニュースが流れました。
これは、山口県岩国市立東小と東中でのことです。
毎日新聞
http://em-tr270.com/L90494/b300/16701
この「トロッコ問題」とは、どんな問題かというと、こんな問題です。
Wikipedia 「トロッコ問題」
http://em-tr270.com/L90494/b300/26701
トロッコ問題(英: trolley problem)あるいはトロリー問題とは、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という倫理学の思考実験。 フィリッパ・フットが提起した。(後略)
概要
まず前提として、以下のようなトラブル (a) が発生したものとする。
(a) 線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。 そしてA氏が以下の状況に置かれているものとする。
この時たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいた。
A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。
しかし、その別路線でもB氏が1人で作業しており、5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?
なお、A氏は上述の手段以外では助けることができないものとする。また法的な責任は問われず、道徳的な見解だけが問題にされている。あなたは道徳的に見て「許される」か、「許されない」かで答えるものとする。
つまり単純に「5人を助ける為に他の1人を殺してもよいか」という問題である。
この授業を、山口県の心理教育プログラムの一環として、スクールカウンセラーが行ったところ、「授業に不安を感じている」との訴えがあったのです。
この「授業に不安を感じている」がどんなことを意味しているか、よくわかりません。
思考する問題のシチュエーション設定が不愉快だというのかもしれません。
このニュースは、モラルジレンマの授業の問題というより、「死」をどのように扱うかという問題ではないかと、私は考えています。
皆さんは、いかがお考えですか。