安倍晋三首相がふれた「人種的差別撤廃提案」

10/04、安倍晋三首相が第200臨時国会開幕に際して、所信表明演説を行いました。
その演説の中で触れた「牧野伸顕」氏は、何をした人なのでしょうか。

安倍晋三首相は、このように演説しています。

首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2019/1004shoshinhyomei.html

「提案の進展を、全米千二百万の有色の人々が注目している。」
 百年前、米国のアフロ・アメリカン紙は、パリ講和会議における日本の提案について、こう記しました。
 一千万人もの戦死者を出した悲惨な戦争を経て、どういう世界を創っていくのか。新しい時代に向けた理想、未来を見据えた新しい原則として、日本は「人種平等」を掲げました。
 世界中に欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は、各国の強い反対にさらされました。しかし、決して怯(ひる)むことはなかった。各国の代表団を前に、日本全権代表の牧野伸顕は、毅(き)然として、こう述べました。  「困難な現状にあることは認識しているが、決して乗り越えられないものではない。」
 日本が掲げた大いなる理想は、世紀を超えて、今、国際人権規約をはじめ国際社会の基本原則となっています。

この牧野伸顕氏は、大久保利通の次男です。
その牧野伸顕氏は、第一次世界大戦後のパリ講和会議で、日本の全権大使として「人種的差別撤廃提案」をしたのです。
日本が、世界に先んじて、国際会議において、人種差別の撤廃を訴えたのです。

ただし、その頃、たくさんの植民地を抱えていた列強の国々は、このような提案を受け入れることはせず、日本の提案は拒否されます。

ただし、安倍晋三首相の演説にもあるように、米国内の黒人の地位向上に関わる人々から感謝の言葉をもらうのです。
また、当時、西洋列強の圧力に苦しんでいたリベリア人やアイルランド人などからも感謝の言葉が寄せられました。

このようなことは、長く記憶されてよいことだと思います。

Wikipedia 人種差別撤廃提案
http://em-tr270.com/L90494/b300/16751