気になる物は、視界から消せばいい

教室環境を整えるというと、「教室を飾ること」「教室を整頓すること」を考えがちです。
しかし、実は、「教室から余計なものを減らす」という視点も大切なのです。

サークル季刊誌の「いぶき」に、清水麻美先生が、「不要な物や音などは刺激物になる。シンプルが一番だ」と、教室環境について原稿を書いているのです。

清水麻美先生は、担任した1年生が、黒板消しを「電車」に見立てて授業中に遊んでいたと言っています。

「またある年には、黒板消しが「電車」になり、黒板のレールが「線路」になったこともあった。その子は、授業中、前に来てシューッ、シューッと言いながら「電車」を走らせた。」

いやいや、失礼ながら、楽しそうに「電車」を走らせる1年生の様子が目に浮かびます。

では、清水麻美先生はどうしたのでしょうか。

「「電車くん」のときには、私はチョークや黒板消しを一回ずつしまっていた。「電車くん」の気になる物は、視界から消せばいいと考えたからだ。」

その子の刺激になるものを、できるだけ減らしたのです。
すると、黒板消しやチョークだけでなく、いろいろなものをなくし、シンプルでスッキリした教室環境を目指さざるを得なくなります。

「教師の机上には、必要最低限の物だけ置く。子どもの机の上にも、使うものだけを出させる。」

もちろん、黒板周りの掲示物をできる限りなくし、黒板にも何もない状態にします。

あなたのクラスに、「電車くん」がいるかもしれません。ただ、前に出て実際にいじらないだけなのです。
しかし、確実に、その子の注意はそちらに向かって、集中が散漫になっています。

「教室はスッキリ、シンプルに」です。