クラスでイベントをすると、大なり小なり問題が起こります。
この起こった問題を、クラスのステップアップのために使っていると、諸見賢氏は言います。
「大なり小なり問題が起きるものである。こうした問題が起きるからこそ良い。なぜなら普段の学校生活の中では経験できない問題点が表出する為である。これを乗り越えさせてこそ、個が成長し、学級集団が一つステップアップしていく。」 (「秋の教え方セミナー」において)
なかなか、こういう発想はできませんが、最初に行うイベントにおいて問題点を出させ、この解決策を考えさせることで、以降のイベントをスムーズに行うことができるのです。
諸見氏はこのように、子供たちに投げかけます。
【趣意説明1】
これから全体で、今日起こった問題について話し合います。なぜなら、こういったことはよく起きる為です。
もし、今日ここでこの件について全体で話し合い、対応策を考えておかなければ、次は異なる人が何かしらの機会に同じことを起こしてしまうでしょう。
今日みんなで話し合うことは、 その子だけの問題ではないのです。この子がいるからこそ、みんながこれからトラブルを回避したり、自分で乗り越えられたりする方法を知ることができるのです。 だから、学級全体の問題として、これから話し合います。
【趣意説明2】
これから全体で話し合いますが、全体の前で意見を述べてください。
全体の前で、今、述べれば それは「意見」です。しかし、この話し合いの後にこの件について言えば、それは「陰口・悪口」です。 あなたの信頼は著しく落ちるでしょう。勇気を出して「意見」を述べてください。これは一人の問題ではなく、全体の問題なのです。
このように、全体の問題であることを認識させ、問題点を掘り起こします。
そして、今後どのようにしていくか、「全員に」発表させ、学級全体の意思として方向を定めていくのです。
イベントで起こった問題は、学級のステップアップにつながるのです。